日食は我々人類を不安にさせる
2012月5月21日。
皆さんはこの日の朝、日本各地で世紀の天体ショーが観測できたことを覚えているでしょうか。
そう、当ブログ名にもなっている「金環日食」です。
「そういえば日食グラスを買ったな~」と懐かしい思いをされている方もいるかもしれません。
私も子どもながらにワクワクしながら空を見上げていたことを覚えています。
「空を見上げてみてほしい」という思いから始めた当ブログですが、日本中が空を見上げた2012年の金環日食の時に夢は叶っていたのでしょう
今回はそんな日食について解説します。
そもそも日食とは?
日食とは、地球から見て月が太陽の前を横切り、太陽の一部または全部を隠してしまう現象です。太陽の隠れ方によって以下の3種類に分類されます。
部分日食
月によって太陽の一部が隠される。
皆既日食
月のほうが太陽より大きく見えるため、月によって太陽が全て隠される。
金環日食
太陽のほうが月より大きく見えるため、月から太陽がはみ出して見える。
日食と人類史
日食は人類の歴史の中で何度も観測され、影響を及ぼしてきました。
特に、科学的に日食が説明できるようになるまでは、世界を照らしていた太陽が急に隠れ、暗くなる現象は、当時の人々に恐怖を抱かせたでしょう。
その証拠として、多くの神話の中で日食にまつわるエピソードが語られています。
例えば、ヒンドゥー教の神話では、ラーフという魔人が太陽や月を飲み込んで日食や月食、月の満ち欠けを起こす、とされています。
また、ヴァイキングたちの伝承を記した「スノッリのエッダ(新エッダもしくは散文のエッダ)」では、スコルと呼ばれる狼が太陽を常に追いかけており、狼が太陽に追いつくと日食になるとされています。
さらに、日本神話における「天の岩戸」伝説も、日食について記したものであると推測されています。
いずれの神話も、日食が天変地異を引き起こす凶兆のように記されています。当時の人々にとって「太陽が隠れて空が暗くなる」ことはそれほど恐怖を抱かせる現象だったのでしょう。