金環日食~宇宙の雑学まとめ~

宇宙と雑学大好きなブログ。宇宙はどれだけ壮大なんだろう。

皆既日食と金環日食と月の軌道

弊社でも 徹底してくれ テレワーク。

 

さて、前回は日食と人類の歴史について、簡単に眺めてみました。

人類は日食の度に不安を抱いてきたことが分かりましたね。

 

今回は、日食のメカニズムについて少し詳しく考えてみたいと思います。

 

 

皆既日食金環日食の違いはなぜ生まれるのか

 

前回は皆既日食金環日食について下のように解説しました。

 

皆既日食月のほうが太陽より大きく見えるため、月によって太陽が全て隠される

金環日食太陽のほうが月より大きく見えるため、月から太陽がはみ出して見える。

 

「月が大きく見えたり小さく見えたりするの?」と思った人もいるかもしれません。
実は、月の見かけの大きさは、日々違っているのです。最も大きな満月は最も小さな満月に比べて、14%大きく見えます。明るさでいえば、最も大きな満月は最も小さい満月に比べて30%も明るく見えるのです。

 

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スーパームーン」は、満月と月が最も大きく見えるタイミングが重なることで起こる

 

 

月は楕円を描く

 

月の見かけの大きさが違ってくる主な理由は、月の軌道が楕円形だからです。

つまり、月と地球の距離が一定ではないために、月の見かけの大きさが日々変化しているのです。満月の時の月と地球の距離をみてみると、約40万7000kmから約35万6000kmの間で変化しています。

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月は楕円軌道を描く

 

月の見かけの大きさは、地球と月の距離が近いときには大きく、遠いときには小さくなります。そして、月が地球に近い時に日食が起こると、太陽が全て隠されてしまい、皆既日食になります。逆に月が地球から遠い時に日食が起きると、月の見かけが小さくなり、金環日食になるのです。

 

月は地球を中心に回っていない

 

月の軌道についてもう一つ、意外な事実を紹介します。それは、「月は地球を中心に回っていない」ということです。
実は、月は地球の中心から約4800km離れた点を中心に回っています。これは地球の表面から少し内側になります。そして、地球もその点を中心として小さく回っているのです。

この点は、共通重心と呼ばれています。その正体は、地球と月の質量の中心、つまり、地球と月のバランスが取れる点です。

 

頭がこんがらがる話なので、分かりやすくまとめてくださっている動画をご紹介します。

 

 

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公転について天文学的に正しく説明すると、「ある天体が系の重心の周りを周回すること」になります。実際、太陽系の惑星や小惑星なども、太陽を中心に回っているわけではなく、太陽系の共通重心を中心に回っています。特に、太陽系で最も大きい惑星である木星の影響は意外に大きく、その重力の影響が他の惑星の軌道に見られます。

 

太陽と月の見かけの大きさがほとんど同じ理由

 

そもそも、月と太陽の見かけの大きさがほとんど同じなのはなぜでしょうか。

 

太陽は月よりもはるかに大きな天体だということは、ほとんどの人が知っていると思います。太陽と月の実際の大きさを比べてみると、太陽の直径は約139万2000kmであるのに対し、月の直径は約3475kmと、約400倍もの大きさの差があります。

しかし、地球から眺めた場合、太陽と月の大きさにほとんど差はないように見えます。

当然、その理由は、月よりも太陽のほうが地球からはるかに遠いためです。地球から太陽までの距離は平均約1億4960万kmであるのに対し、地球から月までの距離は平均約38万kmであり、太陽は月に比べて約400倍も遠いのです。

 

太陽は月よりも「約400倍」大きく、月よりも「約400倍」遠い。この偶然により、地球から見たときの月と太陽の大きさがほとんど同じという結果になっているのです。

 

なお、地球から近いとき(近地点)の月と遠いとき(遠地点)の月、近いとき(近日点)の太陽、遠いとき(遠日点)の太陽の見かけの大きさを細かく見ていくと、

近地点での月 > 近日点での太陽 > 遠日点での太陽 > 遠地点での月

天体の見かけの大きさ - 物理のメモノート

となるそうです。