金環日食~宇宙の雑学まとめ~

宇宙と雑学大好きなブログ。宇宙はどれだけ壮大なんだろう。

目指せ金メダル!金星特集!

ついに東京オリンピックが始まりましたね。

時節柄、様々な意見がある中でのオリンピックですが、この大会のために努力してきたアスリートの方々には是非とも頑張ってほしいと思います。

 

金メダルを目指して頑張っているアスリートの方々へのエールを込めて、今回は金星について紹介していこうと思います。

 

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金星はひときわ明るく輝きます

 

 

 

なぜ「金」星なのか

そもそも、金星という惑星の名前の由来は何なのでしょうか。

これを解説するには、古代中国の五行説について触れておく必要があります。

 

五行説とは、世界が「木」「火」「土」「金」「水」という五つの要素で形作られているとし、これらの変化や組み合わせで自然や社会の現象を説明するという考えです。この考えに基づき、古代中国ではあらゆるものが五つに分類されました。

 

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五行説

 

水星、金星、火星、木星土星の五つの惑星は肉眼でもよく見え、古代からよく知られていたこともあり、この五行説に当てはめられました。

水星は太陽の周りを活発に動くことが流れる水になぞらえられ、「水」。金星はとても明るく光るので「金」。火星は赤く光るので「火」土星は微妙に黄色く光るので「土」。そして、残った「木」木星に当てはめられました。

 

また、英語では金星はヴィーナス(Venus)と呼ばれます。

この由来についても軽く触れておきます。

 

西欧では、惑星たちにはギリシャ神話の神々の名前が付けられています。(実際にはギリシャ神話を受け継いだローマ神話の神々の名前で呼ばれます。)

水星は太陽の周りを活発に動くことから、伝令の神「マーキュリー」。金星は明るく、美しく光ることから、美と豊穣の女神「ヴィーナス」。火星は赤く、不気味に光ることから、戦争の神「マーズ」木星はひときわ大きな惑星であることから、全能の神「ジュピター」土星は微妙に黄色く光ることから、土と農耕の神「サターン」になぞらえられました。

 

ちなみに、天王星海王星は、望遠鏡が発明された後に発見されましたが、これらの惑星にもギリシャ神話の神々の名前が付けられました。天王星は青色なので、天空の神「ウラヌス」海王星も同じく青色なので、海神ネプチューンになぞらえられました。

なお、日本の天王星」「海王星という名前は、これら神々の名前を訳して付けられたものです。

 

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美と豊穣の女神

 

古代中国にしろ、西欧にしろ、金星はその明るさから豪華な名前が付けられています。

「明けの明星」「宵の明星」というように、天空に明るく輝く金星は、古代から人々を魅了してきたのでしょう。

 

金星が美しいのは地獄の星だから

ご存じの人も多いかもしれませんが、金星は太陽系の中でも屈指の過酷な惑星です。

 

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金星は太陽系屈指の過酷な惑星です

 

金星の表面温度は昼も夜も約460℃。これは、太陽に最も近い惑星である水星を抜いて、太陽系の惑星の中で最も高温です。金星がここまで高温になった理由は、大気の約96%を占める二酸化炭素温室効果です。

 

また、金星の地表の気圧は約90気圧と、金星は非常に厚い大気に覆われています。その中でも、金星地表から約45 kmから70kmの高さには濃硫酸からなる雲があり、惑星全体を完全に覆っています。

この雲は、金星に届く太陽の光を約78%も反射しています。金星が明るく輝いて見えるのはこのためなのです。

 

地獄の星に生命が!?

このように、金星は地獄の星といえるほど過酷な環境です。

しかし、2020年9月15日、金星の大気から生命の痕跡かもしれない物質が見つかったというニュースが駆け巡りました。

 

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ニュースを要約すると、イギリス・アメリカ・日本の合同研究チームが、金星の大気からホスフィンという物質を検出したといいます。そして、この物質が、金星に生命が存在する可能性を示しているというのです。

 

ホスフィンは、地球上では、主に湿地や動物の腸内に存在している物質で、微生物が作ります。地球以外でホスフィンが存在することが知られていた惑星は、木星土星です。この二つの惑星では、ホスフィンを作るのに適した強烈な嵐が発生しており、この嵐によってホスフィンが生成されていると考えられています。

 

生命活動か強烈な嵐以外では、ホスフィンが生成されることはないと考えられています。また、ホスフィンは光によって分解される物質です。つまり、ホスフィンが検出されたということは、ホスフィンを供給するモノがある、ということになります。

 

金星では、木星土星のように、ホスフィンを生成するのに適した大気現象は確認されていません。このことから、金星で検出されたホスフィンは、生命由来のものである可能性があるのです。

 

金星に生命いることが確定したわけではありませんが、今後の研究により、生命が発見される可能性があります。今後の研究に期待したいですね。